今日、某フリマアプリの中の人やってる友だちに会ったんですけど、そのとき聞いた話が面白かったんですよ。
フリマアプリを使っている人たちの消費動向の話。売る側の人の話です。
「初めて売れたとき、感動するんだよね。自分が説明文やキャッチコピーを書いて、値付けをして、売れた!っていうことで。おこづかいになるっていうのもあるけど、売るための一連の行動によって、承認欲求が満たされるの」
物を売って承認欲求が満たされる、だと……!?
コツコツおこづかいにする目的があっても、それ以上に、「自分の力で物が売れる」中毒になっちゃうらしいです。
それこそとある主婦が、自分が出した物が売れるの楽しすぎて、片っ端から家の物売っちゃって、家に全然ものがなくなってしまった…と嘆く旦那さんがいるとかいないとか。
フリマアプリって開いてみると「え、なんでこんなもの売ってるの……」というものが結構あって。
さっきアプリで実際に見たのは、トイレットペーパーの芯と食品用ラップフィルムの芯の複数本セット。あと新聞紙とかもありますね。
これ、何に使うかっていうと、幼稚園や小学校で使うんですよね。図工の時間とかで。
「明日はおうちにあるものを持ってきてくださーい」とか子供が学校で言われるんですけど、実は以外とおうちにないんですよね、そういうものって。
芯とかいくつもないし、新聞紙はもう新聞とってない家もあるし、そういうニーズにマッチしてすぐ売れるらしいです。
もう、ユーザーがめちゃくちゃ賢い。賢いのひと言にするのは簡単だけど、どんなニーズがあって、どんなものを売れるかを考えて出品するわけですよ。
「これをお金にするには、どんな人にどうアプローチをして、どう値付けをすればいいのか」と。
使わなくなったものをお金にしたくて売るだけじゃなく、フリマアプリをよく使っている人たちは、もうあらゆるものがお金に見えるらしいですよ。
特に面白かったのが、「服を買うとき、好きなブランドの服と、人気のある(フリマアプリで売れそうな)ブランドの服があったら、後者を選ぶ」という話。
「買う」の先に「売る」を常に考えている層が出てきているってことです。
それこそ昔から、住宅や車などはそうだったと思うんです。
そしてブックオフなど中古買取・販売店の登場で本やゲームなども「のちのち売るためにきれいに使って、箱をとっておこう」とか「マンガは読み終わったらすぐに売ろう」とか。
でもそういうのとは、また違うんですよねこれは。
スマホで簡単に、しかもあらゆるもの(手づくり品や、もともと売り物でなかったようなものまで)を売れるようになり、さらには自分なりに価値を与えられるようになってきたんです。
これまでの中古買取・販売は、一旦買い取った業者が、価値をつけて売るわけじゃないですか。自分に入る額は、その後の販売価格より少ないわけで。
業者を介さないと売れないものもありますけど、その段階を踏まなくても自分で売れて利益を全部得られるなら、そりゃあフリマアプリ使いますよね。
あと、買い取ってもらったとき「え、こんなに安いの?」って思った経験がある人、少なくないと思うんですよね。そこの不満もフリマアプリなら解消されます。
「結局この話、”せどり”でしょ?」って思うかもしれませんが、せどりは売る目的で買ってる(仕入れてる)ので、ちょっと違います。自分が使いたい、ほしいという気持ちはちゃんとあるので。
「ネットオークションは違うの?」となるかもしれませんが、あれは自分で価値をつけるものではないので、また魅力が違うところにあります。
ハンドメイドマーケット系のサービスであれば、自分が作った物に価値が生まれた瞬間の感動が特に大事だと思ってたんですが、おそらくCtoC系サービスのユーザーが楽しんでいるのは
消費者ニーズを考える → それに合うものを選ぶ・作る → 売り方を考える・実践する → 購入される=価値が生まれる → うれしい!=承認欲求満たされる(おこづかいも手に入る)
究極は、この一連の流れなんですよね。自分が物を売るためにした努力が認められた瞬間が大事。「自分がしたことが正しかった、喜ばれた、認められた!」という……中毒性高いですね。
だから必ずしも自分で作ったものでなくても、きっと楽しめるんです。もちろん自分で作ったものなら思い入れも違って、より楽しいと思いますが。
考えながら書いているのでこの話全然ゴールとかないんですが、この新しい消費者行動プロセスに名前つけたいって話して今日は終わりました。
2 thoughts on “フリマアプリが人々の消費動向を大きく変えていて、かなり衝撃を受けた”
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