フロー型とストック型をくり返すウェブサービスたち

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ウェブサービスってフロー型とストック型をくり返してるなーと。肌感覚と想像で書きますね。大事なことなので二回言いますが、肌感覚と想像で書くので、特にきちんとした根拠もなければ参考データのようなものも用意していません。これまで自分でいろいろ使ってきての、ざっくりした考察程度です。

先にフロー型とストック型それぞれを定義しておくと、フロー型は情報のリアルタイム性が高く、質よりもスピードが重視されるもの。ストック型はフロー型ほどのリアルタイム性はないものの、情報の質が比較的高くある程度読み手に配慮をして情報がまとめられているものとしておきます。

さて、まずはちょっと昔の話。

昔は掲示板やチャットが流行して、人々は様々な情報や意見が交わされる場としてのインターネットを楽しんでいたと思います。

これが最初のフロー型の話。

それからウェブログサービス、まあブログが始まりまして、人々は自分の日常や持っている情報をストックし、それをコンテンツとしてユーザー同士が楽しむようになりました。

ブログを持っている人たちは毎日の文章発信では足りず、そこにプロフィールなどもろもろ自分を紹介して他者と繋がるためのものを装飾し始めました。

そこにうまいこと登場したのがmixiやFacebookなどのSNSで、それらは用意されたブログという枠組みを、ユーザーが求める形で拡張し始めたと思います。日記を書き、コミュニティやゲームなどを用意し、コンテンツを通して他者と繋がりたい欲求を満たすようにどんどんサービスを拡張していきました。

特にmixiは、日本人の「インターネットは怪しい場所」というような印象を軽減するために、当初招待制という形をとり、ブログなどに親しみのないユーザーでも容易に扱える形式を用意し、上手に取り込んだと思います。

少し脱線すると、前略プロフィールあたりは面白くて、プロフィールというベースにユーザーが独自であらゆるものを足すようになりました。外部の日記サービスを足したり、プロフィールをまめに更新することでリアルタイム性を持たせたり、主に学生同士が名刺代わりにすることで、インターネット外、現実の場で広まっていきました。そういったサービスの一人歩きが起きるのも面白いわけですが。

ここまでがストック型の話。以降またフロー型が戻ってきます。

その頃ブログでは、特にこれは日本の話だと思うのですが、アメブロを中心に芸能人がこぞって更新頻度を競い合うようになりました。コンテンツの質ではなく、どれだけ新しい情報を提供出来るか、新しい情報をユーザーが得られるか、それらが重要視されてきた時期だと思います。

mixiが飽和状態になり始めた頃、日本でTwitterを使う人たちが増え始めました。まずはアーリーアダプターに広まりましたが、更新頻度を競っていた芸能人がこぞってTwitterを始めました。それによってさらにフロー型を求めるユーザーが爆発的に増えてきます。そしてFacebookが日本語化され、ストック型に飽きてきていたユーザーたちが、mixiのような和製SNSにあるストック性を排除したFacebookにじわじわ集まってきました。

少し角度を変えると、ソーシャルゲームも波に乗ったフロー型のひとつだと思います。提供者側に日々用意された情報(ゲーム内容)を受信して、ユーザー同士で助け合い(他者と繋がりたい欲求を満たす)、これもある種フロー型だと思います。属性的にはちょっと違いますけども。

ここまでが、直近のフロー型の話。

で、そろそろまたストック型が戻ってきそうだなーという臭いを、なんとなく感じています。

アーリーアダプターに広まっているのが有料メルマガ。そしてブログは更新頻度を競い合うものから良質な情報を提供し合う場に変化しているような印象を受けます。ブログに関して、時事的なものやビジネス要素の強いものはまだ広まり始めの段階だと思いますが、幅広い層の女性にとって、良質な美容やファッション情報を得る場としてかなり確立されている印象を受けます。

実際GREEのMagalyなど、既にベースとなるユーザーがいる場で始まった有料メルマガサービスもありますし、巷ではソーシャルメディア疲れなるものも流行っているようですし、そろそろフロー型がおとなしくなる時期かなと思っています。

おそらくアメーバあたりが有料メルマガのようなものを始めたら、急速にストック型が主流として戻ってくると思います。TwitterやFacebookも生き残るとは思いますが、主流とまではいかず、リアルタイム性の高い情報を提供・受信する場として役割がはっきりとした形で残ると思います。

これまでモバイルコンテンツの主流変化で顕著だった気もしますが、まあ女性が大きく動いたら主流変化のスピードは加速するよなあと。これからもきっとそうでしょう。要はアメブロ層をうまく動かして、ストック型主流再来してほしいなあと思っています。

一応まとめておきますね。

・ウェブサービスはフロー型とストック型で主流を交代し続けている
・掲示板やチャットの時代はスピード感のある情報が飛び交っていた(フロー型)
・ブログが登場して日記や情報、思考をまとめる人々が現れた。mixiやFacebookの登場でその主流が安定した。(ストック型)
・ブログで内容より更新頻度が重視されるようになり、Twitterも登場し、昔のフロー型よりも情報が飛び交うスピードが加速。(フロー型)
・mixiで飽きられてきていたストック要素がない日本語化されたFacebookが広まり、フロー型が定着してきたが、人々は次第にフロー型のスピードに疲れを感じてきた。(そろそろフロー型が怪しくなってきた)
・有料メルマガが広まり始め、ブログ内容の質は向上し、ソーシャルメディア疲れの流行などから、ストック型主流再来の予感。

ここまで書いてきて、いろいろ考えていて、面白いなあと思ったのは、ブログってサービスはずっと変わりなくあるのに、その使い方の主流だけが変化してきているから、それをなんとなく追っていると、サービスの主流とリンクしている気がするんですよね。

まあウェブサービスと一口に言っても、いろいろな属性のものがあるので、今回は表面的な主流考察でした。まあその辺考察しとかないと、派生サービス出すタイミング逃しそうだしね…私は別に出さないけど…

以上、ざっくり肌感覚と想像のまとめでした。(大事なことなので三回目)

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